「加齢黄斑変性症」の患者はこの10年間で2倍、発症割合は50歳以上の8人に1人と急増中。予備軍は2,000万人と言われています。失明以外に鬱症状の発症も激増する「加齢黄斑変性症」の治療と予防方法を「目のブラックジャック」尾花先生に解説いただく1冊。
目をカメラとしたとき、網膜はカメラのフィルムにあたる。黄斑は網膜の中心にある直径1.5~2mm程度の大きさで、細かいものを識別したり、色を見分ける役割を担っていり。加齢黄斑変性は、加齢などによって、黄斑付近の組織に出血や萎縮などの異常が生じ、黄斑が傷んでしまうために、視力の低下や視界に歪みが生じる。黄斑付近の組織に発生する異常の原因によって、萎縮型と滲出型の2つの病型に分けられる。
萎縮型は、黄斑を含む網膜の加齢変化の病的状態で、徐々に萎縮していく。一方、滲出型は日本人に発症しやすく病状の進行が早いと言われているが、脈絡膜に生じた新生血管と呼ばれる異常な血管が、黄斑付近に侵入して起こる。新生血管は正常な血管とは異なり、破れたり、血液成分の漏出が起こりやすく、それに伴って網膜がむくんだり網膜の下に液体が溜まる。
化学療法によって治療は行われるが、萎縮型には有効性がなく、そのためサプリメントや生活スタイルの見直しが求められる。本書は、今後ますます増加する加齢黄斑変性の実態を伝え警鐘を鳴らすとともに、その予防を促すために、同症における日本の第一人者がわかりやすく解説、指南するものである。
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