出版することは出版社にとって著者への投資──という話は先の記事に書きました。では、どうすれば手っ取り早く「投資される人」になれるのでしょうか?
自分の数字をつくる
結論から言えば「自分を大きくみせる数字」を作ることです。例えば株に投資するにも、その会社の規模や直近5年の売上の推移、従業員数、業界の成長率など数字を元に検討しますよね。
出版も同じで、著者力はあるのか?テーマにニーズがあるのか?などをまず数字で判断するわけです。例えば整体師をしていれば、1万人を治療して半年先まで予約がいっぱいとか、この1年でテレビに5回出演している、などがあればかなりの著者力です。
以下は2019年に出版いただいた『腰痛の9割は水で治る(かんき出版)』ですが、サブタイトルに使うことで説得力が増しているのが分かると思います。因みに本書は現在4刷です。
こうした数字を持つ人はひと握りかも知れません。さらにそれを作るのに何年かかるのか?という話です。でもこうした実績に「比肩する数字」は自分で作ることができるのです。
Twitterでは3万フォロワーで出版は見えてくる
例えば「SNSのフォロワー数」です。この話をすると「フォロワーは買える」とか「相互フォローを繰り返せば」などという人もいますが、作られたアカウントは、投稿内容やFF率、リツイート数などで簡単に見破られるので意味がありません。
では、どれくらいのフォロワー数が必要かという話ですが、Twitterなら3万フォロワー、ブログで月間100万PVなどが目安です。
企画採用にSNSのフォロワー数を重視する版元にK社やW社やT社がありますが、実際にこうした基準から著者を探して「結果」を出しています。この数字はその1社の編集長から直接聞いているので、他社も概ねこんな感じなんだと思います。
短期間にたくさんのフォロワーを集めているアカウントは、この数字に満たない場合も編集者が伴走してアドバイスをするなど出版に向けた活動が始まるケースまであります。
ちなみにTwitterでは最初の半年で5,000フォロワーが目安と言われています。著者に勧める立場上、私もやってみましたが半年で3,000フォロワーが精一杯でした。難易度の高さを実感すると共にTwitterと出版の親和性を体感する機会にもなりました。
SNSでの発信内容が本の原稿になる
SNSでの発信を強化するメリットに、その内容がそのまま「本の元原稿として使える」ということがあります。
ブログ、YouTube、Instagram、Twitter、noteなどが代表的なSNSですが、個人的には原稿を推敲できるnoteと拡散力のあるTwitterの組み合わせが最強と考えています。
こうしたアプローチは版元編集者にとっても著者の考え方やメソッドの独自性、文章力などを知ることができるなど、多くの利点があります。
発売後にはSNSを通じて出版の告知や販促にも使えます。さらには「文章力も身につく」ので、出版を目指す人は、やらない理由がないとさえ思っています。
フォロワーが2万人を超えたら出版関係者をフォローする
SNSではフォローされること以外に、フォローするメリットも少なくありません。同じテーマで発信している人をフォローすることで、そのジャンルの動向やトレンド、関係者しか知り得ない情報などに直接触れることで、さまざま向上できます。
ある程度フォロワー数が増えたら、出版関係者をフォローします。フォローバックしてもらえなくても、リプライなどでプロフィールを見てもらえるように働きかけます。
編集者であれば、常に売れる著者候補やトレンドを追いかけているので、一定の水準を超えていれば必ず関心をもって過去ツイートやリンク先の活動内容に目を通してもらえるはずです。
この記事のまとめ
SNSは出版を目指す人にとって「メリットしか」ありません。ですから出版希望者には必ず勧めるのですが、ときどき「発信することがない」と言われて心配になってしまうことがあります。
本には書くことがあるのだろうか?と考えてしまうからです。
出版につながるSNS活用法のポイント
・SNS発信でテーマのニーズをつかむ
・SNS投稿で原稿の元をつくる
・フォロワー数で著者力とニーズを証明する
・SNSで著者を探す編集者の目に留まる
・出版したらSNSで販促する
本記事はnoteと一部重複しています。
著者について